夏でもサラっと快適な「エアコン全館冷房」。
でも、全館冷房を実践している方の話には、難しそうな用語が出てきますよね…
よくわからないけど、エアコンをつけて各部屋のドアを開け放しておけばいいんでしょ?
なんてことになりがち。
残念ながら、それだけではないんです。
特に、湿度に関する知識は必須になってきます。
このページでは、全館冷房を行う上で知っておきたい用語について解説します。
相対湿度と絶対湿度とは?
相対湿度と絶対湿度の違い
普段生活していて目にする湿度は、「%」で表示されていますよね。
これを「相対湿度」と言います。
「全館冷房で家中の湿度を60%以下にしましょう」
の「60%」も、相対湿度のことです。
空気は温度によって、含むことのできる水分量が変わります。
温度が高いほどたくさん水分を保有できます。
保有できる最大量に対して、今どれくらい水分を保有しているか?を示すのが相対湿度です。
それに対して「絶対湿度」というものがあります。
これは「空気中に含まれている水分の量そのもの」を示すものです。
相対湿度はあくまでも比率(%)なので、温度が違うと空気の湿り具合を比較できません。
一方、絶対湿度の単位は「g/㎥」。空気1㎥に水分が何グラム含まれているかを示します。
そのため、温度に関わらず、水分量そのものを比較することができます。
例えば、次のうちどちらが水分量が少ないでしょうか?
①温度25℃・相対湿度55%
②温度27℃・相対湿度54%
相対湿度で比較すると、②の方が乾燥しているように見えますよね。
でも、計算してみると、絶対湿度は①が12.67g/㎥、②が13.909g/㎥。
②の方が水分を多く含んだ空気なんです。
相対湿度を下げるには?
相対湿度を下げるには2つの方法があります。
- 温度を上げる
- 空気中の水分量を減らす
とは言っても、夏に部屋の湿度を下げるために、暖房をつけて温度を上げる人はいませんよね。
快適に除湿したければ、エアコンを使って除湿し、空気中の水分量を減らします。
エアコンを動かし、絶対湿度が下がっていくことを確認しましょう。
絶対湿度を見るには、「みはりん坊W」という温湿度計が最適です。
エアコン全館冷房をする際は、みはりん坊Wをエアコンの吹き出し口に設置します。
そして、エアコンから出ている空気が「きちんと除湿されて乾いた空気が出ているか?(絶対湿度12g/㎥以下が目安)」を調べるのに役立ちます。
それから、秋になって涼しくなり、窓を開けたくなった時にも使います。
家の中と外の絶対湿度を比較してみてください。
もし外の方が絶対湿度が高ければ、窓を開けると湿った空気が入ってきて、家の中の湿度が上がってしまいます(´・ω・`)
そういう時は、たとえ外が涼しくても、窓を開けないように注意です!
サーモオフとは?
エアコンをつけているのに、湿度が上がってしまうことがあります。
例えば、エアコンを28℃設定で冷房運転したとします。
室温が設定温度に達する。
↓
エアコンが除湿をやめ、自動的に送風運転になる。
↓
内部にたまっている水分が室内に戻ってきて、湿度が上がる。
このように、送風運転になってしまうことを「サーモオフ」といいます。
真夏の暑い時期は外気温が高いので、サーモオフは起こりにくいです。
「室温が35℃で、35℃設定で冷房運転」なんてしないからですね。
でも、梅雨時で「室温が27℃・湿度が80%」のような時は、サーモオフが起こりやすいです。
冷房運転だとすぐに室内が冷えて、その結果「室外機が動かなくなる=除湿されない」となりがち。
ですので、エアコン冷房は「いかにサーモオフを起こさないようにするか」がとっても大事です。
ちなみに、後述する再熱除湿機能がないエアコンの場合、ドライ(除湿)モードで動かしても、サーモオフは起こります。(再熱除湿ならサーモオフしないというわけではないです)
「ドライ運転してるのにちっとも湿度が下がらない!」ということは普通にあります。
エアコンの再熱除湿機能とは?
エアコンの除湿には2つの方式があり、機種によって異なります。
1つは弱冷房除湿。その名の通り弱冷房運転することで除湿するものです。
温度と湿度、両方下げたい時ならこの方式の除湿で上手くいきますし、電気代も安いです。
しかし、室温はそのままで湿度だけ下げたい時には、サーモオフを起こしてしまって上手くいきませんY(>_<、)Y
もう1つは再熱除湿です。
これは、一旦空気を冷やして除湿したあと、温め直して室内に排出するもの。
そのため、室温はそのままで湿度だけ下げることができます。
高気密高断熱住宅の場合、エアコンを使うとすぐに部屋が冷えます。
普通に冷房運転したら、冷えすぎて寒くなってしまったり、弱冷房除湿だと上手くいかず、サーモオフを起こしやすいです。
高気密高断熱住宅なら、再熱除湿機能のあるエアコンが必須!!
再熱除湿エアコンがあれば、梅雨時の室内環境をコントロールしやすくなります。
オーバーヒートとは?
オーバーヒートとは、窓から入ってくる太陽の熱で、家の中が暑くなってしまうことです。
いくら窓の断熱性能が高いと言っても、ガラスはガラスですから、日差しの暑さは防ぎきれません。
「一条の家は春に暑い!」と言われることがありますが、これはオーバーヒートしているためです。
窓の外に簾やシェードを設置して日射遮蔽することで、これを防げます。
最後に
最低限これらの用語を抑えておくと、全館冷房のやり方をより理解しやすくなると思います。
やってみよう!と思った方は、フエッピーさんのブログを読んでみてください(^o^)
かなり詳しくノウハウを書いてくださっています。